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特集・インタビュー

2018.10.12 74PV

ICOでの資金調達が過去17か月で最低を記録。ICOの今後はどの方向に?

ブルームバーグの記事によると、過去17か月で9月が最低を記録したというレポートが出された。ICOはすでに終わりを迎えたのか、それとも、仮想通貨による資金調達は新たな局面を迎えたのか。ICOの今後について予想していく。

OTCが過疎通貨取引の主役に

ICOは、広く投資家を募り、スマートコントラクトでトークンを発行するという形で行われてきた。しかし、取引所に上場する前にトークンホルダーを多く作るということは、上場後に彼らがトークンを売って利確するということと同じだ。つまり、ほとんどのケースについて、現状上場したトークンは一瞬高騰した後は低迷を続けるというパターンが多い。もはやICOで一攫千金のキャピタルゲインを狙うというのは通用しなくなってきている。

それに代わって、取引を拡大しているのが、OTC取引、Over Ther Counterという頭文字でもともとは証券用語だが、つまりはカウンター越しに一対一でやり取りするという意味で相対取引という意味だ。機関投資家が事業内容を精査し、その上で一対一で投資する。そのようなスタイルが主流になりつうある。

OTC取引の舞台はカンファレンスやミートアップなどのリアルなイベントだ。今世界中でほぼ毎日といっていいくらいイベントが開かれており、そのイベントの中で投資家と事業家が直接相対で話をし、投資判断をするという流れだ。

LPとホワイトペーパーを作って、広告を出せばファンドレイジングができた時代をICO1.0とすれば、今はICO2.0の時代と言える。

ICOに代わりSTOが台頭

もう一つの動きが、ICOに代わりSTOが台頭していきているということだろう。これも先に述べたことと関わりがあり、上場してもキャピタルゲインを得られなかった投資家がICOを嫌忌し、配当型の投資商品を好むようになってきているというのがその理由だ。STOとは、Security Token Offeringの頭文字で、Securityつまり、証券としての役割をトークンが担う配当型のトークンだ。

今までのICOは、各国の証券法に抵触しないように設計して、ユーティリティトークンとして発行するということでICOを行ってきた。これは当たり前のことだが、証券法に抵触しないということを目的につくったユーティリティトークンを使ったエコシステムが実際に稼働する可能性は低く、現実にはほとんど当初のホワイトペーパーで書いたエコシステムが実現できていないのが現状である。

2017年であればそれでも資金調達が出来たが、投資家も学習し、そのような証券法から逃れる目的で設計したエコシステムにはあまり価値がないことが露呈してきたと言える。

そこで、一周回ってやっぱり配当型がいいとなったのが今回のSTOの台頭だ。そもそも配当型として設計して、インカムゲインを目的にトークンを購入してもらう。これであればトークンの設計はとてもしやすく。例えばマイニングのSTOやファンドのSTOなどが今後主流になってくる。ただし、マイニングやファンドは高度な知識が必要で、投資家保護のため、各国証券法に準拠した形で行われていくだろう。

では、通常の株式と何が違うかということになるが、STOの場合、グローバルに迅速に配当が行えるというところがポイントになりそうだ。世界規模で回るエコシステムについて、どの国にいても正確に配当金(暗号通貨)を受け取ることができるという仕組みであれば、参加する人も増えるだろう。日本にいながらアフリカの事業に投資するということもできるのだ。

ステーブルコインの有用性

GMOグループが日本円と連動した暗号通貨の発行を発表した。価格の変動があまり起きないことを考えると、実際に決済手段として流通する暗号通貨はこれらステーブルコインが主流になる可能性が高い。各国で今相次ぎステーブルコインが発表されているのも、このステーブルコインのスタンダードを狙いたいからだ。

完全に連動する場合と、限りなく同額に近づけるように運用するのとでは日本の場合適用される法律の範囲が違うということもあるが、今後ステーブルコインとして設計するコインはユーティリティトークンとして増えていくことが予想される。

ブロックチェーン技術はそれでも市場が伸びる

暗号通貨の値上がりを期待したキャピタルゲイン狙いの投資家は姿を消すかもしれない。しかし、ブロックチェーン技術を応用した新しい技術には「株式投資」としてスタートアップに投資するチャンスでもある。今後は、ブロックチェーンで新しい技術を開発する企業に対し、投資型の資金調達が大きく伸びていくことが予想される。

当メディアもそんな投資家のために具体的かつ革新的なプロジェクトを数多く紹介していきたい。

文責:石田陽之

グラフ引用元:https://www.bloomberg.com/news/articles/2018-10-08/crypto-ico-funding-dropped-in-september-to-lowest-in-17-months