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特集・インタビュー

2018.08.13 260PV

ブロックチェーンプロジェクトは3つに分類して考える

日本国内だけでなく世界中で様々なブロックチェーンに関するプロジェクトが立ち上がっているが、読者の皆さんがそのプロジェクトの本質を理解いただけるように、大きく三つのプロジェクトに分けて考えていきたいと思う。

ブロックチェーンを取り巻くプロジェクトはレイヤー構造で考えるとわかりやすい。つまり、ケーキのように層に分かれているということだ。大きく分けると、一番下がブロックチェーンプラットフォーマー層、その上にアプリケーションプラットフォーマー層、そして一番上にアプリケーションデベロッパー層という形だ。それぞれの特徴を見ていこう。

1.ブロックチェーンプラットフォーマー

ブロックチェーンのプラットフォームを作る、いわば通信規格を作るというプロジェクトだ。ビットコインのソフトウェアが最初に世に出てから、その課題も出てきた。一番大きなものはトランザクションスピード(取引を処理するスピード)だ。ビットコインは1秒間に7つの取引を処理できるスピード(7tps)だが、これは実用化するには少し難しい面がある。というのも、クレジットカードの処理スピードは平均2,500tps、ピーク時4,000tpsもあるからだ。少なくともこのスピードを実現しなければ決済手段としての仮想通貨は実現が難しいというのが現状だ。しかし処理スピードを上げればいいという問題ではない。分散型であるブロックチェーンは、すべてのコンピュータが同じ情報を持っていなければならない。二重支払いが起こらない、改ざんが出来ないというのはこの全てのコンピュータが同じデータを持っているという前提だからだ。このコンピュータ同士が同じデータを持っていることを確認するために合意を取らなければならず、この合意をとるために時間がかかるというわけだ。

合意をとる時間を少なくすればそれだけ脆弱性が高くなるという相反的な課題を技術者は今研究し、様々なソリューションを提案し続けている。これ以外にもDappsをどのように動かすか、スケーラビリティや永続性をどのように担保するかといったブロックチェーンが持つ課題を解決していくプロジェクトがこの「ブロックチェーンプラットフォーマー」に属するプロジェクトで、仮想通貨の取引高のトップ10のほとんどがこの部類に入るというのはそれだけ基礎的な技術であり、ここを制することが今後の世の中の方向性を決めていくほど重要だということだ。

2.アプリケーションプラットフォーマー

次に登場するのがアプリケーションプラットフォーマーである。各業務用のアプリケーションを1から作るのは非効率的であるため、特定の目的に特化した基礎技術の部分を担う存在だ。例えばトレーサビリティのプラットフォーム、改ざん防止のプラットフォーム、デジタル資産管理のプラットフォームといった特定の目的のためのアプリケーションの土台となるものだ。

これはそれぞれに適したブロックチェーンプラットフォームを活用しつつ、実際の業務アプリケーションをつなぐ役割をになうため、その業界のデファクトスタンダードの位置を狙えるプロジェクトとなる。なのでこのタイプのプロジェクトはその業界に対しどのくらい深くかかわることができるかが重要な要素になるだろう。

3.アプリケーションデベロッパー

最後がアプリケーションデベロッパーだ。これは個別のアプリケーションを作るというプロジェクトだ。この領域は一企業や一個人も参加して、様々なプラットフォームを活用した実際の業務アプリケーションを作る作業を行っている。いわば、スマートフォンのアプリを作るという作業に似ているかもしれない。ブロックチェーンアプリケーションは今後主要な産業になっていくことが予想されるため、この中から次の世代を担う企業が出てくることが期待される。

まとめ

プロジェクトの規模としてはやはり、ブロックチェーンプラットフォームの構築というのが一番大きなものとなり、それだけ多くの資金や人材が必要になることから仮想通貨の取引もこのプラットフォーム構築の分野で大きく動くことが多い。しかし、プラットフォームの構築が落ち着いてきたころにアプリケーションのプラットフォームを提供する企業群が存在感を発揮する段階に来る。今後注目のプロジェクトはこの既存のネットワークを活用して様々な用途に特化したプラットフォームを作ることができるプロジェクトになるのではないだろうか。アプリケーションの開発については、ICOでの資金調達というよりも、各企業が個別に予算を組んで開発するといったスタイルになるだろう。これはインターネットの業界と同じだ。以上この3つの層に分けて様々なプロジェクトを見ていってほしい。